開かない窓
「お前、この事件について何か知ってたら吐け。」

「は?」

「当然、俺も知ってる事をお前に教えてやる。だからお前も俺に知ってる事を俺に話せ。いいな?」

突然、拒絶を許さない口調で念を押すように言いだした彼に、俺は戸惑いを隠せなかった。

「え・・・・・・あの、」

「ああ?話すのか話さねえのかどっちなんだ!?」

「そんな・・・・・・突然言われたって・・・」

「俺が信用できないか。・・・・・・まあ、いいさ。せいぜい【H・Y】が何を意味するか自力で調べるんだな。」

「!!貴方は【H・Y】が誰なのか知ってるんですか!?」

「お前の返答次第で答えが変わるんだけどな」

大げさに肩を竦めて、神条さんはその場を立ち去ろうとする。
俺は、慌てて呼び止めた。

「ちょっと待ってください!!」

彼は、その声にゆっくりと振り返った。

「・・・・・・話す気になったのか?」

俺はしぶしぶ頷いた。主導権を完全に握られてしまった・・・とりあえず逆らう訳にはいかない。
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