開かない窓
物置が汚かったので、俺はここも同様に汚いのだとばかり思っていた。さっきからよつんばいになって進んでいるが、手にほとんどホコリがついていないのだ。
くだらない戯言だと無視されると思ったが、何か思う所があったのか俺の問いかけに答えてくれた。

「おかしい・・・・・・」

「え?」

「以前来たとき、ホコリはかなり積もっていた。例え誰かが通ったにしても、こんなになるはずがない・・・・・・」

神条さんも、疑問に感じていたらしい。

ところが先に進むにつれ通路が綺麗に見えたのは、沢山のホコリがなぜか両脇に寄せられていた為に、積もってなかったように見えただけとゆう事が判明した。

勿論、通常ホコリが真ん中を残し両脇だけに積もるなんて事は、まずありえないから、これは誰かが意図的にやったと思われる。

(誰か見かねて掃除でもしたのか・・・・・・いや、こんな狭い通路のホコリを箒で掃いた後、ワザワザ両端に寄せるなんて事、誰もしないだろう。)

しかし、俺は1つの考えが浮かんだ。

「他の生徒も、この通路の事知ってるんじゃ?」
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