開かない窓

(なんか見たことあるような気がするんだよな・・・・・・ん?)

その時、突然俺達を、とゆうより自分を見つめる鋭い視線を感じた。

ハッとそれに目を向けると2階の窓から1人の教師が俺達の方を見下ろすように睨んでいた。

(あれは、壬生谷先生?)

ポケットに手を突っ込んだまま、観察するような視線を向けているのは、壬生谷 千里。この学校の保健医である。

いつも細いメタルフレームの眼鏡をかけ、白衣をきっちり着こなしている彼は、その整った顔立ちのせいだろうか、何人もの女生徒に付きまとわれているのをしばしば校内で目撃する。
しかし全く興味がないのか、そんな生徒達を適当にあしらっている。
俺はどっちかとゆうと、彼は保健医ってゆうより、化学教師の方が似合っていそうだと思っていた。

そんな彼、俺と目が合うとすぐにカーテンを閉めてしまった。

(な、なんだったんだ?)
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