開かない窓
俺が面食らっていると神条さんが話しかけてきてくれた。

「・・・・・・どうした?」

「今、壬生谷先生がこっちの方を見てたから・・・・・・」

俺は目をしばたきながら、何が何だか解らないまま答えた。

「何?保健医が・・・・・・そうか、やっぱりアイツは・・・。」
神条さんは、突然何かを1人で納得したように呟くと鼻をならした。苦笑しているのだ。

「どうしました?」

「何でも・・・・・・まあ、いいか。後で教えてやる。場所変えようか」

彼は意味ありげな表情を浮かべると、校門へ向かって歩いていく。

俺は訳が解らないままついて行くしか出来なかった。

そして俺達はここから徒歩10分の場所にある駅前の飲食店街へと向かった。
複数のテナントが入った駅ビルの地下2階にマックが入っている。
規模が若干狭いこともあり、あまり先生達に知られてない隠れた名所なので、補導の目から逃れて授業をサボる事が出来ると、以前蓮が豪語していた。

…うん、しっかりバレてたと思うけどな。
< 173 / 191 >

この作品をシェア

pagetop