開かない窓
「おい、食べないのか??」

さっきから全然量が減っていない俺のトレイを目にした神条さんが話しかけてきた。

「あ、食べます食べます。」

俺は慌てて、バーガーの包みを開けた。ふんわりとした暖かさが手に伝わってくる。普段は対してあまり感じなかったが、やはりそれは美味しかった。朝から何も胃に入れてなかったせいもあるのだろう、俺はすぐに食べ終えた。

さっきまで暗い表情で、辛気臭く溜め息をついていた俺が、急にかなりのスピードで食べだしたのを見て、神条さんが驚きの表情を隠しきれてなかったのはいうまでもない。

「・・・・・・食べ終わったなら、そろそろ情報交換といこうか。」

俺は頷くと、シェイクを飲みながら、その間に佐伯刑事や蓮、死んだ月岡さんから聞いていた全ての事情を彼に聞かせていた。しかし、彼はよほどポテトが気に入ったのか、興味深々にポテトを眺めては、ゆっくり食べ・・・・・・を先程から繰り返している。

果たして彼はどこまで俺の話を聞いてくれているのか。

自分から言い出しといて「全く聞いてなかったから頭からもう一度」とか言われたら泣くぞ、本気で。
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