開かない窓
「へ?妊娠?」

俺は拍子抜けしてしまった。突然そんな事実を知らされてもどう反応すべきか解らない。そんな俺の様子に構う事無く、彼は話を続ける。

「ああ、しかも相手はこの学校で働いてた教師らしい。」

「えっ・・・・・・」


(教師!?誰、誰なんだ?この前の体育で、女子の体操を手伝うふりして、体をベタベタ触りまくってたってゆう猪川か??それとも気に入った女生徒をひたすら当て続ける木村か!?それとも・・・・・・畜生っ!多すぎてしぼりきれない!!)


俺が、あーでもないこーでもないと色々想像を膨らませていたら、彼は割とあっさり言った。

「・・・・・・保健医とだ。」

「保健医・・・・・まさか、壬生谷先生と!?」

(なんてこった。生徒に手を出すような先生ではないと信じて・・・・・・はいなかったが、まさか、いや・・・・・・大胆だな)

「いや、10年前までウチの学校で働いていた保健医。そいつ、結構女グセが悪い事で知られていて、保健室を訪れた女生徒に手をつけてた事があるらしいんだ・・・・・・」

「その先生はどうしたんですか?やっぱりクビに??」


「・・・・・・自殺した。」

神条さんは、はっきりと俺に視線を送りながら言った。
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