開かない窓
「自殺!?それ、どうゆう・・・・・・」

「名前は確か・・・嶋宮、だったな。そいつ、広中 有紀子が自殺したその日を境に奇怪な行動や言動が増え、頭がイカれたらしい。それで精神科に入れられたんだが……ある日、病院の屋上から飛び降りやがったんだ。」

「・・・・・・・・・・・・。」

「これは当時、新聞やニュースで結構騒がれていた。」

なんということだろう・・・・・・この学校で命を落とした人間がほかにもいたとは。
偶然、か?・・・・・・いや、ただの偶然にしてはあまりにも・・・・・・。

「話はそれだけじゃない。10年前、その嶋宮の補助という形で、一人の研修生がウチの保健室で働いていたんだ。」

「・・・・・・それは?」

「壬生屋 千里。今の保険医だ。」

「・・・・・・な!?」

今度は自分もよく知っている名前が出てきた。
壬生屋先生・・・・・・あの時、旧校舎を見つめていた理由はそこにあるんですか??
彼ならなにか知っているかも。そう考えた矢先、一つの疑問が浮かび上がった。

「あ、あのっ10年前の話なのに、なぜそんな事まで知っているんでしょう・・・か?」

おずおずと切り出す俺に、彼は意外にもすんなり話してくれた。
「下らない事聞くな!!」
と一蹴されるのがオチだと思っていたのに……。
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