開かない窓
「なんでって。昔の事件調べるの好きだからさ。ただし、都市伝説とか、いわくつき限定だけどな。そこで涼夜と気が合って、よく二人で資料探したりしたもんだ・・・・・・。」

相変わらず淡々とした口調、しかしその表情は微かではあるが固くなっていた。
俺は、何か言おうとしたけれど結局は言い出せず、出かかった言葉をそのまま飲み込んだ。

重い沈黙が続くのかと思いきや、

「いつまでもこんな話をしていても仕方ない・・・・・・今から壬生屋に話を聞きにいくぞ!」

「そうですか・・・って、はぁ!?」

いきなり何を言い出すんだ。先程のシリアス展開からなぜこうもガラッと変えれるのか・・・・・・

いつもの事ながら、話の飛躍ぶりには全くついていけない。もう少しで飲んでたシェイクを神条さんの顔に吹くところだった。


・・・・・・命の危険を感じるな。


「今なら、ちょうどあのかったるい集会も終わった事だし、生徒もほとんど残ってないだろ。オラ、ボサっとすんな!善は急げだ!!」

ポテトの最後の一本をカッコよく口に咥えると、勢いよく席を立ちあがった。
そんな滑稽としか思えない動作の一つ一つが彼、神条 理悸にかかれば羨ましいくらい様になっている・・・・・・俺は思わず息を呑んだ・・・・・・じゃなくて!!
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