開かない窓
「じゃ、行くぜ!!」
と吐き捨てるように言うや否や、席を飛び出してしまった。

俺はもう待ってくれとは言わなかった。なぜなら・・・・・・言って彼が待ってくれた試しがないから。
それに今までとは違って、今度は保健室と明確に場所が解っているので焦る必要はない。
・・・・・・彼が、突然行き先を変えなければの話ではあるが。


(変えそうだな。)


考え直し、俺は手早く鞄を取ると足早に席を離れた。が、それは自分の杞憂だということがはっきり解った。とゆうより、すぐそこにいた。

「っつうおぉぉぉ・・・・・・」
マックを出る際、足を角に激しくぶつけたらしい。足首を押さえ、プルプル震えながらすぐそこにうずくまっていたのだ。

(大丈夫か、こんなんで・・・・・・)

思わずため息が口をついて出た。

とは言いつつも・・・結局はやるしか選択はないのだろう。今は少しでも多くの手がかりを手に入れないといけないのだから。

こうして俺は神条さんを支えながらマックを出て、保健室へと向かった。

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