開かない窓

壬生屋 千里

俺達が保健室のドアを開けると、そこには先客がいた。

「あ、優一くん。」
「あ、今村先輩!さっきぶりっすね」

悠里と麗。組み合わせとしては意外でも何でもないが、とっくに下校したものとばかり思っていた。

「・・・・・・っ!」

二人を目にした神条さんが、目を丸くして息を呑んでいた・・・何かあったのだろうか??

「悠里!それに麗?何でお前らここに?」

「んとね、集会中に麗ちゃんが貧血で倒れちゃったのよ。」

「優しい藤村エンジェルが、自分をここまで連れてきてくれたっすよ!お蔭で、堂々と抜け…休めたっす」

きっとコイツの事だ、その場にいる生徒に見せつけるが如く、劇的に倒れたに違いない……

(相変わらずどうしようもない奴だな・・・・・・)

「あ、そう・・・・・・」
俺は曖昧に生返事を返しながら、辺りを見回した。
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