開かない窓
(これが多分刑事さんの言ってた連絡網だな。そういや今何時だ?)

俺はテーブルの上にある置時計で時間を確認した。
時計の針は9時30分を指していた。

ここから学校に行く時間を考えると後1時間は家にいなければならないらしい。

ため息をつき、ベッドに腰掛けて時間をつぶした。今は出来るだけ何も考えたくなかったし、考える気にもならなかった。

ただ、俺は確信していた。晃は絶対に自殺じゃない。自殺じゃなく……そこまで考えると、俺は息を呑んだ。

自殺じゃなく?なんなんだ?

もちろん不幸な事故の可能性もあるとも思ってはいたが、今自分が考えていたのは明らかに事故ではなかった。

まさか晃は……背中を冷たいものが流れ落ちていくのを感じる。

俺は自分の考えを否定するべく頭を振った。

(そんなわけない!何を考えてんだ俺は!?どうかしてるだろ……)

結局、俺は何も考えないと決意した矢先1時間全てを事件について考えるのに費やしてしまった。

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