開かない窓

(蓮……?)

着信相手である相田 蓮は中1からの友人で、つるんでからもう5年になる。
走る事が三度の飯より大好きで、暇さえあれば部活や自主練、そしてナンパに励んでいる本人曰わく、すっごく健全な高校生だそうで。

お調子者のふざけた野郎だが、気さくでどんな時でもポジティブ思考の彼には何だかんだで助けられる事も多い。


「もしもし?」
「あ、優一?……その、あー…大丈夫か?」

声が震えているようだ。

彼のこんな声を聞いたのは期末試験の範囲を間違えたことを前日になって気づいたと泣きながら相談された時以来である。

「大丈夫って、何が。何かあったのか?」

俺の言葉に、蓮は驚きを隠せないようだった。

「お前、ほんと何も聞いていないのか??隣のクラスにいたお前の幼馴染……」
「晃?晃がどうした?」
「マジで知らないんだな」

蓮が何か言いにくそうだったので、俺は続きを促した。
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