開かない窓
「お前、大丈夫か!?……そっか、色々あったからな。もしかして、アレですか?寝不足だと逆にテンションが上がっちゃうタイプなの?」


(上がらねえよ!!ってか聞こえてないよな?セーフだよな?)


俺は軽く頭を押さえつつ、横目でチラッとちはやの方を見た。

ちはやは、特に俺達に気を留める風も無く、帰る仕度を始めている所だった。

(た、助かった……聞こえてなかった……)

安堵の溜め息をついたと同時に、帰り支度が済んだらしいちはやが後ろを振り向きーー

「そういえば、さっき晃の事件がどうとか言ってなかった?あれって、やっぱり事件なの?なんか変だなぁ~って僕もちょっと気になってはいたけど。ねぇ優一聞いてる?」


たちまち気が遠くなった俺の耳には、何も入って来なかった。

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