開かない窓
「……落ち着いて聞けよ?晃な、さっき死んだらしい」

「……はあ?」

こいつは何を言っているんだろうか?それも朝っぱらから……

「冗談にしては面白くねえな。それだけなら切るぞ」
俺は少々不快な気分になった。
からかいたいのは勝手だが、一番仲の良い友達の生死をネタにされるのは嫌な気持ちだ。

俺が本当に切ろうとしたのを察したのか、蓮は慌てて引き止めた。

「待てよ!!本当なんだって!さっきそいつのクラスにいるダチから聞いたんだよ!」

「へ~そう、わかったわかった。じゃあ学校でな」

「おいっ本当にわかって…」

俺はまだ何か言いたそうにしている蓮との会話を一方的に終了させた。

「ったく…しょうもない」

朝から、たちの悪い冗談を聞かされたせいで少し陰鬱になった。

(…あ、学校いかなきゃ…)

今度こそ学校に行こうとしたら、また携帯が鳴った。

(蓮の奴…ちょっとしつこくねぇか?)

俺は最初無視をしていたが、一向に鳴り止む気配が無い。
だんだん怒りが込み上げてきた俺は、乱暴に携帯を開くと着信相手を確かめず電話に出た。
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