開かない窓
「え・・・・・・?」

「優一がそんなに言うなら、今は何も聞かない。でも断言してもいいけど、優一は必ず僕に相談するよ」

彼女は予言めいた事を、確信を持った口調で言い切ると、机上の鞄を手に取り、歩き始めた。


「えっ、ちはや!」


「何?」


思わず呼び止めてしまった。しまった、何も考えていない…

ちはやは、柔和な笑みを浮かべて、じーっと俺を真っ直ぐ見つめてくる。


「……いや、また明日な」


俺は言うのをやめた。
ちはやは、少しだけ驚いた顔をしたが、すぐにいつもの笑顔で

「うん。優一、気をつけて帰ってね」


とだけ言い残すと、教室を出て行った。
その後ろ姿をぼんやりと見送りながら、俺は考えていた。

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