開かない窓
年々自殺者が増えている今、いちいち霊になって現世に出てきてたら、あっという間に今の日本は霊だらけになるだろう。

でも・・・・・・・そう考える方が気が楽だと思える自分がいる。

「あ、アホらしとは何だ!これでも一番マシなの言ったんだぜ!?・・・・・・・・・あ。」

蓮はしまったという顔をして俺から目を逸らした。

(コイツに気遣われるようになった俺はそうとう終わってるらしいな・・・・・・でも。)

「蓮」

「あ?」

「ありがとう」

俺は心の底から、礼をいった。晃の死について、恐らく俺と同じ事を思っていたのだろう。

でも、蓮は今までそれを絶対に口にしなかった。その気遣いがすごく嬉しい。

ところが蓮は大きく仰け反り、何か異次元の生物を見るような目で俺を見つめて言った。

「キモッ!!お前絶対、何か拾って食っただろ?大丈夫!恥ずかしい事はない。実は俺もそれやって、救急車のお世話になったことあるから!」

「あるの!?」

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