開かない窓
「あるよ?」
これが常識だといわんばかりに蓮はあっさりと言い放った。

「ちょっと待て」

「はい?」

「お前、一回目って?」

「へ?うん。過去三回病院の世話になった。」

すごいだろ、と自信満々に話す蓮。その自信は、一体どこからくるんだろうか。

「お前、真性の馬鹿だな。」

「あはは~・・・・・・やっといつもの調子になってきたな」

「え?」

「いや急に黙り込んだり、急に奇声あげたりさぁ、お前疲れてるみたいだったから」

正直、蓮がそこまで俺の事を考えてくれてるとは思わなかった。
黙り込んだり、奇声を上げざるを得ない状況にしたのは、お前の影響が大きいんだよとは口が裂けても言えなかった。
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