開かない窓

「何で、ここに？」

『さあ？ただ、お前に会いたいなって思ってたら、ここに来てた。』

「会いたい……なんで俺なんか……もっと他にいるだろ？なんで……俺に」

例えば悠里とか。
そう声に出そうとしたが、声が出てこなかった。

口をついて出るのは疑問系ばかり。
そんな情けない俺を見て、晃は溜め息をつきながら言った。

『何で、何でってうるさい奴だな。ただ会いたいって気持ちに理由がいるのか？』

「……」

『…お前、大分疲れてるみたいだな』

晃が俺の顔を覗き込んで言った。

「そんな事……」

『い～や、疲れてるね！目を見れば解る！はは～ん、あれか。赤点とって追試にでもかかったか？』

「んな訳ないだろ。俺そんなバカじゃないし」
※蓮は追試でした