開かない窓
「晃、今度は俺の質問に答えろ。何でお前は死んだんだ?」

『…言えない』

「どうして!?」

『…………』


俺の問いに答えず、晃は悲しそうな眼差しをこちらへ向けるだけだった。


「何で、何も言ってくれないんだよ!!」

『……覚えてないんだ』

「え?」

『なんで自分が死んだのか、記憶が抜けてんだ。だから、俺にはわかんねー』

晃は俺から目を逸らして口早に言った。

「解らないって!」
俺が、不満げな声をあげると、晃は『でも』と言葉を切り、俺の目をはっきりと見た。

『でも、1つだけハッキリ覚えてる事がある』

「何だよ?」

『俺さ、死にたくなかった』



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