開かない窓
話が終わるとこの時間が、晃が今にも目の前から消えてしまいそうで怖かった。
しかし、それでも終わりの刻は確実に迫ってきていた。

『やっぱ目玉焼きにはマヨネーズだって!醤油?フッまだまだお子ちゃまだな、優一は。……おっと、思ったより長居したみたいだな……ヤベ、そろそろ行かないと。』

きた。

恐れていた時がきてしまった。

「行くって何処に!」

『天国ですよ!我ながら、素晴らしい行いばかりしてきたからな…当然っちゃ当然だけど。
お前はまだ来んなよ?来たら殴ってでも追い返す!素敵な天国ライフは、まず俺がじっくり堪能してからな』

からかうように言う晃の姿が徐々に薄れていく。俺は必死になって引き止めた。

「待って…行くな!頼むから、まだいてくれよ!」

『優一…楽しかったぜ、ありがとな!』

「イヤだ…晃……あきらぁぁぁっっ!!」
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