開かない窓
「そりゃ、そうだろ~!インターハイなんてビックイベント、俺の良さが益々引き立つ
!ここで気合入れずして、この先何に気合を入れるんだ?」

「お前……」

(前言撤回!こいつ、インターハイを合コンかなんかの延長と思ってやがる)

「相田君、相変わらずね~」


悠里もこれには呆れて笑うしかないと言った感じだ。

「うん?誰が相変わらずいい男だって?」

「誰も言ってない」
俺は蓮の戯言を即座に否定した。

「でも理由はどうであれ相田君、本当に頑張ってるみたいだよ」

俺達のやり取りを見ていた悠里が、蓮のシューズを指差してやんわりとフォローした。


確かに蓮の着ているランニングシャツは少し汗を吸ってはいるが、清潔感があるのに対し、愛用のシューズが泥で酷く汚れていた。
相当長い間走り込んでいたのだろう。

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