開かない窓

最悪

「疲れた……」

終了の合図と同時に、俺は大きく伸びをした。辺りは相変わらず喧騒に包まれている。

授業中見事に爆睡していた蓮は、元気いっぱいに猛スピードで部室へ直行していた。

言うまでもないが、俺達の賭けは見事に当たったのである。


「悠里、お前これからどうする?」

「私?とりあえず帰るかな。優一君は?」


「俺は、ちょっとヤボ用があってさ…学校に残るよ」


「そっか~うん、じゃあね!」

悠里が教室を出て行くのを見届けると、俺はこれからの事を考えた。

(まずは、月岡さんに一度会ってみよう。どんな人かよく解らないしな……それから…)



「しっつれーしまぁ~~す!」
気の抜けた

「あ……」

「お~今村先輩!丁度良いところに。悠里さんいる?」


彼女の名は小路 麗。
新聞部所属で、俺達の1コ下だ。なぜか、保健室にいる事が多い。

この後輩、悠里を異常に慕っていて、彼女の脳内の半分以上は悠里が占めていると言ってもいい。
こいつと悠里の間に何があったんだろうか…

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