開かない窓
「悠里なら、今さっき帰ったぞ」


「なんとっ!?今日はまだ一回も悠里先輩見てなかったのに…やってらんねっすわ…」

「お前の待ち受け画面に、いつでも悠里先輩いるじゃねーか」
「生じゃないと意味ないっすよ!まあ、仕方ないから我慢しますけど」




突然、けたたましくベルが鳴った。どうやら火災報知機が作動したらしい。

「なんだ?避難訓練か?」

「何かあったんすかね?」

麗が不思議そうに、小首を傾げる。
何の放送もないので、誰かの悪戯か誤作動か。



「今村君!!」

「うわっ!」

いきなり頼が飛び出してきた。俺の心臓も飛び出す所だった。

「どっから湧いて出た!!」

「うん?掃除道具入れのロッカーから。見りゃ解るでしょ?頭悪いな。で、どうよオカルト部」

「な!!俺は用事あるからお前に構ってるヒマはない、部にも入らない!」

「え、用事?何?」
こいつは何を当然のように聞いてくるのだろうか?少しは遠慮して欲しいよ。

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