開かない窓
「なんでいちいちお前に言わなくちゃいけないんだよ?お前は俺の保護者か!?」

「いいえ。キミの部活の会長よ」
どうやら、こいつの脳内で俺は入部届けも出してないのに、既に立派な部員扱いになっている。

「あのオカ研の会長さんっすか!お噂はかねがね。あ、自分は1-C小路 麗です。新聞部期待の星っす」

空気を読まずに、頼の話を唐突にぶった切って、麗は自己紹介を始めた。
名刺まで出してやけに本格的だ。

「へ?…あ、え~と…私は三年の浜本 頼よ。宜しく…って貴方、自分の名刺まで作ってるの?本格的なのね」

「何か面白い情報あったら、そこに載せてるアドレスや携帯にご一報を…っす!」

ちゃっかり営業紛いの事もしている。本当に、コイツは抜け目がない。

「いいわよ。…あ、そうだ。今村くん、用事は?」

このまま俺の事忘れて、2人で話してて欲しかったが、流石に無理があるか。

俺は諦めて、2人に月岡さんに会いに行くとだけ言った。


「月岡さんって、3-Cの?何、ファンなの?ダメよ、彼には立派な彼女がいるから」

「人を追っかけみたくいうな!って彼女いたのか」

「あれ、先輩知らなかったっすか?あの葉山 柚季と付き合ってるっすよ。」


自分が、いくら他人にあんまり興味がないといえど、葉山 柚季は流石に知っている。
確か、この前の学園祭イベント【学内美少女コンテスト】で優勝した生徒だ。
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