開かない窓
「僕、実験中に間違ってガスバーナーの火力上げすぎたから、弱くしようと手を伸ばしたらアルコールこぼしちゃって。そしたら引火して凄い火柱が上がったんだ・・・・・・・。」
俺は納得した。さっきの火災報知機はそれが原因で鳴ったのか、と。

「だから、僕は火を消そうと思って備え付けの消火器を使ったんだ。でも、初めてだからあんまり使い方が解らなくて。まさか、あんなに勢いよく噴出するとは思わなかったな~教室中真っ白。あははっ!」

「・・・・・・!?」
(・・・・・・・安易に想像できる自分に乾杯。)
(そこ、笑い所なの!?)

「それで、僕困って白くなった先生に何をすればいいか聞いたんだ。そしたら・・・・・・・」

「今すぐ出て行け!」

「って言われて閉め出された・・・・・・だから実験どころじゃないんだよ。」
「・・・・・・・。」

(明日の化学は自習か・・・・・・)
(今日の晩御飯何かしら・・・・・・)

二人の氷の視線がグサグサとちはやに突き刺さっていく。
< 86 / 191 >

この作品をシェア

pagetop