開かない窓
俺の思いをよそに、二人はお互い睨み合っている。火花散るというよりも、呪いの思念を送りあっているかのような雰囲気だ。

俺は息を呑んだ。この勝負、どっちが勝ってもおかしくない・・・・・・。


ゴクッ・・・・・・・


生唾を呑み込む音がハッキリと聞こえる。
ここまで緊張したのは初めてだ。くっ、俺らしくもない・・・・・・!!

「先ぱぁ~い…もう、この人達放っといて、さっさと行きません?」

「お前も来るな。何ナチュラルに、ついて来ようとしてるんだ」

「なんだか…事件の香りがプンプンするっす!自分、こういうのは鋭いんすよ。それに…」

「いや、こっちの話っす。


そして睨み合うこと数分、ついに勝者が決まった。
頼が、わずかにちはやから目を逸らしたのである。

「・・・・・・・・時間が惜しいわ。さっさと行くわよ!!」

「お~!!」

1人勝手に仕切り、吐き捨てるかのように言い放つ頼と、もうノリノリで掛け声を出しているちはや。完全に俺の意向は無視されている。

こうして俺は、疫病神とオカルトマニアと自称新聞部エース(笑)を引率しながら、月岡 涼夜の教室3-Cへと向かう羽目になった。
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