開かない窓
3人はキョトンとした顔で俺を見返した。

彼は、俺と同じように後ろをチラッと見た後、俺にだけ聞こえるように耳打ちした。

「なんだ?聞かれちゃマズイ事でもあるのか?」

「えぇ・・・・・・・・」

「何か訳ありっぽい所悪いが、とっくに部活の時間過ぎているから、話を聞いてやれないんだ。」

「あ、そうですか・・・・・・」

「悪い、じゃあな!」
走り去る先輩を見ながら、俺はその場に立ち竦んでいた。

それを見ていた3人が声をかけてくる。

「お話、終わったのかしら?」
「ああ。終わったよ・・・・・・・」


「優一?なんか疲れてない?」
ちはやが気遣って声をかけてくれている。
せっかくのチャンスを・・・・・・俺は落胆してしまった。結局何一つ収穫がなかったのだから。
彼にさえ会えば、まずは何とかなると思ってた自分の考えが甘すぎたのだ。
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