開かない窓
「気持ちは解るけどさ、あれは不幸な事故でしょ?…今村君が、そこまで気にする事ないんじゃない?」


「は?今、なんつった?」

俺は、頼の視線を捉えた。いつもなら真っ直ぐに見返してくる勝気な視線。
ところが頼は、ビクッと脅えたような目をして、目を逸らした。

「いや……

「…に…お前なんかに、何の気持ちが解るってんだよ!!大体、さっきから黙って聞いてりゃ…なんでそんな無神経な事ばっかり言えるんだ?図々しいにも程があるだろ!なあ、お前おかしいんじゃ……あ…」

しまった。怒りでぶちまけて
頼は明らかに泣きそうな顔して俯き、ちはやと麗は唖然とした表情を浮かべて俺を見ている。
目の前にいる頼がとてつもなく憎くなったのだ。黒い溶岩のようにドロドロとしたモノが俺の心を満たしていく。
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