不良の弟
「あぁーじゃ単刀直入に言います!昴くんの隠してることは何?」
あたしは一気に言った。
一回止まっちゃうとそのままずるずると言えなくなる気がしたから。
『加藤の事ぉ?えー分かんなーい。梨花眠くて分かんなーい。また今度ねぇ』
プチ。
と電話が切れる音がなって、あっけなく電話は切れた。
全く、どいつもこいつも好き勝手聞いて。
それまで普通に会話してたくせに眠くて分かんないとかふざけんな!
加藤と言うのは昴くんの名字のこと。
昴くんってずっと呼んでたからぴんと来なかったけど、確かにそうだ。
昴が加藤だってことは分かるのに、何故隠してることが分からん!
気になったけど、もう梨花は寝ちゃっただろうし、時刻は11時過ぎ。
こんな時間に他の人に電話しちゃ迷惑に決まってる。
だから、あたしはグーグーなるお腹を対処する事に決めた。
カレーはあたしの中でも結構な得意分野に入ると思う。
と言っても、カレー簡単なんだけどさ。
音楽もテレビも見ないでもくもくと料理して、終わったという頃にケータイがなった。
この音は、零。
「はーい。どうしましたかぁ?」
グーグー鳴ってたお腹のために作ったのに、お腹は何だかいっぱいで眠くなって、梨花喋りになってしまった。
『どうしましたかって詩織、12時過ぎてるよ?夜更かしはお肌の敵だよ!』
こんな夜中に電話してきて、そんな事を言う零は不良だからか。
どこかほかの人とずれてる気がするのはあたしだけかな?
男の子からこんな時間に電話もらったことないし、分かんないけど。