不良の弟
…それはもう置いておこう!!
今日は楽しいデートだし?
忘れちゃおう!
「詩織ちゃん?ちょっと遅いけどご飯食べに行かない?」
時計を見ると、2時過ぎ。
確かに遅いけど、あたしのお腹は今にも叫びだしそうだ。
「うん!何食べよっかぁー?」
あたしの頭の中に浮かぶのは、おいしい食べ物の数々。
ハンバーグに、スパゲッティに、ラーメン。
うーん。何にしようー迷うなぁ…
「あははっ!詩織ちゃん、すっごい笑ってる!」
お腹を抱えて笑ってる昴くんに気づいて、手を頬にやると緩みまくっていた。
うわっ、恥ずかしっ!
これじゃ、ゆるゆるゆるのゆるゆるゆるだよ!
ゆるゆる過ぎて、もはや変顔になってない!?
「いっ!今のはみなかったことでお願いしますっ」
90°になりそうな勢いであたしは頭を下げて頼みこんだ。
「そんな必死になんなくても…っ!大丈夫!記憶から消去したから」
面白そうに顔を歪めながら、何とか昴くんは言ってくれた。
はっ…危ない、危ない。