不良の弟
「お前っふざけんなぁ!卑怯だぞ!そんなの」
「はぁっ?ゲームに卑怯も糞もあるかよ!」
「ってかお二人さん弱いっすねー俺余裕で勝っちゃいましたけど!」
『調子に乗ってんじゃねーよ!』
ハモってるオレンジと緑。
にどつかれてる昴。
そんでそれをぼーっと見てるあたし。
どうしたらいいんだろう…?
居場所がないあたしは。
もしかして、これはこの人達なりの帰れ、の合図なの?
常識、ノミほども持ってないから納得は出来るだけど、分かりにくすぎる。
さすがにこの状況を打破できる策は恋愛ハンター的な存在である梨花でも考えられないと思う。
考える以前にこんな特殊な現場あり得ないから!
さっきから、3人がやってるのは某有名ブラザーズによるパーティ、のやつ。
オレンジって惜しいよなーすっごく惜しい!
ムカつくから頭の上からペンキ被せたくなるくらいに惜しい。
赤だったらなぁー実写版!みたいな?
あっでも別にあのブラザーズは髪を染めてる訳じゃないのか!
うーん、染めてたら帽子被んなくてもOKだもんね!
やっぱ便利じゃん。
赤に変えようよねぇー
梨花のお母さん確か、美容師さんだよね?
「…安くしてもらえるのに」
心の中で言ったつもりが声に出していたらしい。
あたしの突然の呟きに3人が一斉におっきい薄型テレビから視線をあたしに移した。
それに気づいたあたしはかなり挙動不審。
「えっあー、何でもないっす!すいません…」
結局緊張してちょっと噛んだ。
まぁ、それはこの際気にしなくていいんだけど。