不良の弟
きっと、あたしの人生には隠し扉がくっついていて、その中に梨花との出会いが入ってたんだと思う。
その証拠に梨花の家がヤの付く家だからと言っても、何だかんだ親友を続けているあたしがいる。
…かなり臭いこと言ったなあたし。
似合わなすぎだ。
「さぁさ!早く話したいことあるからさ!」
そんな事は今さらだよね。
梨花がどこにいようと梨花が梨花で親友であることにかわりはない。
「…うん。悪い話じゃない事祈ってる」
それだけ言うと、梨花の家の玄関に入っていった。
いつ見ても…立派なお家だこと…
あたしんちのボロ家とはえらい違い。
梨花はあたしの言葉に返すことなく、少し笑っただけだった。
ものすごく嫌な予感がしてきた…
豪邸って言われると、洋風に聞こえるけど。
梨花の家は、和風な豪邸って感じだ。
どっかのドラマに出てくるお偉いさんが裏取引をしてる場面があたしの頭に浮かぶ。
そう!まさしくこれだ。
「これでどうでしょうか?」
「十分ですよ。いや、しかしそちらさんも中々の悪で」
「そちらには負けますよ。わたしなんてまだまだです」
…みたいな。