不良の弟
「詩織ーまた妄想してんのー?」
「…してなくなくなくなくないかも知れないけど、やっぱりない」
「…詩織ってたまにめんどくさい」
グサァッ
マンガならそんな感じの言葉が書いてあったと思う。
親友に向かって、言う言葉じゃございませんよ…
「うそだって!それよりあたしの部屋!」
あたしのガラスのハートにナイフが突き刺さったよ事件は、梨花の‘それより’で終わりを告げた。
軽く傷ついたのにさ。
梨花の部屋は、長-い廊下を行ったところにある。
雑巾がけをするのが嫌になりそうだけど、きっとあのいかつい人たちがやってるんだろう。
…そう思うとあの人達も悪い人じゃない…かも知れない。