不良の弟




「どんな人だった?海先輩と蒼先輩」


「さっきから思ってたんだけど、2人ってうちの学校じゃないよね?そんな簡単に入れていいの?」


他校の生徒が自由に入れるっていうのは、学校のセキュリティを疑ってしまうのも当然だと思う。


「何言ってんの!2人ともうちの学校だよ。3年生」

「え…」


人はびっくりすると言いたいことも言えなくなるらしい。
ちょっと新たな発見だ。


「やっぱ、あの外見でしょ?零くんたちはうちの学校じゃないし。うちの学校では断トツかっこいいじゃない?」


でも。



あたし、この2年間一度でもあの2人を見たことがあった!?
ない!ないよ!


ん?



でも、ちょっと待てよ。
そう言えば…あの人たちが着てたもの…
うちの学校の制服と言えば、そんなような気がしないでもない…?


それにしても!


うちの学校だなんて。


「冗談だよ…ね?」


「あたしが今の状況で冗談言うと思う?本当だよ。2人共うちの学校のれっきとした生徒です」




梨花が先生みたいな口調で言う。
こういう時は大体真面目に話してるとき。


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