不良の弟



「あの…今日ってかさっき、零と…弟なんだけど、明日カレー一緒に食べる約束したなぁと思って…」


あたしは、昴くんの反応が怖くてしどろもどろ話した。
これで明日は夕方までとかそんな事が決まったらいいなぁと思ったのに。


『じゃ、弟君には悪いけど、カレーは次にしないとね?ところで映画何見る?』な


あっさりと流された。
しかも何の迷いもなしに。
あたしが零よりも昴くんを優先すると決まってたみたいに。

それが何だかひどく気に障った。
だって、零を侮辱されてるみたいに聞こえたから。


昴くんは、そんな事思ってなかったかもしれないけど。
でも、あたしが何も言わずとも自分に針が傾くと思ってた昴くんに何だか腹が立った。



「あたし、別にカレー次にするつもりないよ?映画、別に夕飯前までには終わるよね」


冷たいかなって思ったけど、あたしは昴くんのナルシストな言い方がどうしても理解できなかった。



案の定、電話の向こうの昴くんは動揺してるみたいだった。




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