★俺様主人とパシリちゃん☆
見ていられなくなった私はその場から逃げてしまった
「は?ナナっ!?」
庵くんは追いかけて来る
私は足が速いわけでもないから、足の速い庵くんにはすぐに捕まった
「……ナナ…?」
心配そうに私の腕を掴んでる庵くん
………私、欲張りだから…
私は庵くんの顔を見ないで俯いていた
「…」
庵くんは私を引っ張って物陰に入った
「ナナ、何か言え」
私を優しく抱き締める庵くん
……他の人には見せちゃ嫌だよ
…わがままな自分が嫌
「…言わない気か?」
呆れたような声
「…私…」
「ん?」
「わがままなの…」
庵くんを独り占めしたいって思う私は、わがままだよ
「わがまま?」
庵くんが私の言葉にクエッションマークを浮かべる
「…庵くんが他の女の子にくっつかれてると嫌だし、」
怖いから、足を見て小さい声で言った
「…私ね、庵くんを独り占めしたいって思ってるの……」
黙ってる庵くんはどんな表情かわからない
「女の子達がいる前で笑ってほしくない……」
最低かな
でも、私の気持ち何だもん
仕方ない?
「ナナの束縛?」
「ちっ、違うよっ!」
束縛ってあってるかもしれないけど…
顔をあげると庵くんはニンマリ笑っていた
…………??
なんで…?
「ヤキモチだろ?」
焼き餅???
「焼いたお餅は美味しいけど…」
「ちげーよ、恋のヤキモチ!」
ヤキモチ?
「ってか、嬉しーんだけど…」
「?」
「ナナがヤキモチって…」
嬉しいの?
「独り占めしたいって、俺はナナのじゃん」
……ナナのじゃん……
「もぅ、独り占めしてんだろ?」
……