★俺様主人とパシリちゃん☆
この声……
後ろを向くとそこにいたのは
「庵くん…!」
「手ぇ離せよ…」
庵くんの低い声で男の人はどっかに走って行ってしまった
「なんで、ここに?」
「日向に行けって言われた…」
そう言うとペットボトルを3本私から取り上げた
「お前が5本はキツいだろ?」
「ありがとう」
庵くんってふとした時に優しい……
…なんで?
午後から私は庵くんと一緒にウォータースライダーの列に並んでいた
水を持って行く途中に
「午後はあれ乗るから」
そう言われて水を持って行くとすぐ庵くんは私を連れてに列に並びだした
「…庵くん……無理だよ…」
「ダメ、俺に野菜食わした罰」
えぇ…!!
「でも、弁当はうまかった…」
「……じゃぁ、おあいこで乗らなくていいじゃん…」
「俺に嫌なもん食わしたんだから、ナナも嫌なことしないとな……??」
…乗るしかないの……
だんだんと順番が近付く
さっきから庵くんチラチラ見られてるよ…
……やっぱり人気だね…
そんなことを考えてると、順番が来てしまった
「お2人様ですか?こちらにどうぞ?」
浮輪のような乗り物に乗ると滑り始めた
私は庵くんの後ろに乗っていた
「~~~~~!!」
目を瞑りはやく終われと願う私…
「すげぇ~」
庵くんは余裕の様子
ザブーン!!
ウォータースライダーがやっと終わった……
長かった…
「楽しかったな!」
「…す…スリルがあった…」
もう絶対乗らない!!そう心に誓うナナ…
帰りの車の中では、私と運転手のヒサシさん以外はみんな寝ていた
ヒナタさんと匠くんは窓に寄り掛かるように
庵くんは私の肩に寄り掛かるように寝ていた…
「…ナナちゃんって彼氏いた時ある?」
「ないですよ?」
好きな人はいても、付き合うまでは行かなかったなぁ………
「じゃぁ、大変な人に目つけられたね」