★俺様主人とパシリちゃん☆
6:初めてです☆
過ごしにくい暑さがなくなってきたこの頃
「この前ね、デート行ったぁ♪」
朱里が楽しそうに言った
「楽しかった?」
「初めてじゃないし、普通だよ」
…初めてじゃない……
「何回くらい行ったの?」
「5回は行ったよ」
……
「菜々は?」
「……だ…」
「へ?」
「……まだ…行ってない…」
「え!!!!まだなの??」
「うん…」
「じゃぁ、キス止まり…?えっちしてないの?」
「しないよ!!」
「もう、一ヵ月くらい経つよね?」
……これって遅いのかな?
「デート、行ったことないし……私」
「誘えば?デート☆」
「無理!」
その時に携帯がなった
ピピピ
着信:庵
「ほら、誘いなよ?」
「だから、無理だよ…」
ピ
『はやく出ろよ!!』
庵くんが怒鳴る
「ごめんなさい…」
『はやく屋上に来い』
ブチ
「屋上行ってくる…」
「頑張って誘いなよぉ~☆」
朱里の言葉に苦笑いしながら私は屋上に向かった
がちゃ
「よぉ」
………取り巻きさん達までいる…
相変わらず私は庵くんと匠くん以外は苦手なのです…
「ナナ?なに突っ立てんだよ…」
はやく来いと言うように私に手招きをする
みんなの座っている間を遠慮しつつ歩く
「キワドッ!!」
「見えた♪」
取り巻きさん達は何かヒソヒソ言っている
やっと庵くんの隣りまでつくと庵くんは黙っていて何も言わない
「お前、自分の格好わかってる?」
匠くんが呆れたように言う
「?」
…普通に制服だけど……
ぐん!
「きゃぁ!」
庵くんが私を引っ張って座らせた
「…下着見えてんだよ……」
「へ?!」
私は今さらスカートを押さえる