★俺様主人とパシリちゃん☆
「あんた何様?」
「ぇ…?」
「庵の彼女?笑わせないでよ」
怒りの表情の女の人
「釣り合ってないし、可愛くもない女のくせに!」
…釣り合ってない…
そう…だよね
「1人じゃ何も出来ないから泣くの?バカじゃない??」
気がつくと涙が頬を伝っていた
女の人が居なくなったら庵くんが帰ってきた
「ナナ?」
「…釣り合ってないんだって……」
「は?」
私の顔を覗きこむ庵くん
「なんで、泣いてんだよ!?」
いきなりのことで、びっくりした様子の庵くん
「女の人に言わ…れたの…庵くんと私は釣り合わない……って」
「バカじゃねぇの?」
「ふぇ…?」
「ナナはすげぇ可愛いし……俺はナナが好き…ナナは俺が嫌い?」
頭をブンブンと横にふる
「お互いが好きならそれでいいんじゃねぇの?釣り合ってるとか、カンケェねぇよ」
「…ぅん……ひゃぁ!」
庵くんが、私の涙を舌で舐めとる
周りに見せつけるように……
「…しょっぱ……」
「な…涙だもん…」
涙を舐めとると私を抱き締めて囁いた
「嫌な思いさせて、ごめんな…」
「…庵くんのせいじゃないよ!」
「ナナ、どこ行きてぇ?」
……いきなり??
……えーと…
「…遊園地…」
「…ガキかよ」
「行きたい!」
庵くんは微笑んで私を連れて店を出た
外に出ると風が吹いていた
「ひぁぁ!」
ヒラヒラと、捲り上がるワンピースを手で押さえる
「風、強!」
サラサラとなびく庵くんの金髪が綺麗に見えた
バスに乗って遊園地を目指した
…庵くんってこの辺、詳しい……
何でだろ~??
「庵くんってこの辺詳しいね?なんで??」
「…いろいろあってな」
…庵くんは悲しい瞳をして私に言った
時々、見せる悲しい瞳は何なんだろう…