★俺様主人とパシリちゃん☆


「…だって…庵くんがするから……」


「顔、ちょー赤い」


むにゅぅと私の顔をつねる


「ひ…ひたい(い…いたい)」


「次はジェットコースター乗ろーな?」


クスクスと笑って私に囁く


「ひやぁ!!(嫌ぁ!!)」




私は抵抗に抵抗してなんとかコーヒーカップに乗った


「楽しくねぇ…」


不機嫌モードの庵くん


確かに、金髪の男の子がコーヒーカップって………


「楽しいのかよ、こんなん乗って……」


「た…楽しいよ?」


「俺は楽しくねぇ」


軽やかな音楽が流れるコーヒーカップ


怖いのよりいいよ!!


「次は観覧車乗らない?」


「ぜってぇ、ヤダ!!!」


……ですよね…?

景色綺麗なのになぁ


「…庵くんのいぢわるぅ……」


「は?俺、ナナに付き合ってやってんのに、それはねぇだろ?」


「…じゃぁ、デートなんてしないでよぉ…!」


「俺は女のこーゆー面倒くせぇこと、嫌いなんだよ」


……初めてなのに…


初デートは楽しくしたいよ


嫌われたくないけど
…庵くんは彼女の私のことなんて、どうでもいいのかな??


「それに、行くならもっと……は!!!?」





+++庵♪さいど+++


「ひっ……」


いきなり目の前のナナが泣き出した


目から落ちる涙はポロポロと流れ落ちる


「…っ………」


泣き声を殺してなくナナ…


なんで泣いてんだよ


正直、泣いてる意味がわからねぇ……


ウザいくらいの音楽がなりやみ、俺はナナを引きずってコーヒーカップを降りた




ドカッ!!


ナナをベンチに乱暴に座らせた


俺が怒っていると思ったのか、ナナは俺を怖がる


「…なんで、泣いてんだよ?」


俺はナナの前にしゃがみ、ナナを下から覗きこんだ


「…ぉ…怒って…なぃ?」


涙の溜まった目で俺を見る


「さぁな?」


ナナの頭を撫でながら言った


< 62 / 125 >

この作品をシェア

pagetop