★俺様主人とパシリちゃん☆


………


「ナナ」



この声……
……庵くんだ…



驚いたように目を見開く庵くん


「…庵…くん、これ…」



私は震える手を開く



「………どこにあったんだよ」



………星のピアスがついていたところには、別のピアス



「…偶然ね、道に落ちてたの……それでね……」


アイさんから聞いたとも言えないから、必死に言い訳をする





+++庵♪さいど+++



遊んで帰ってくると、玄関に人がいた



間違えるわけない



髪が短いし、すごく痩せていたけど………



あれは、




ナナだ………



…びしょ濡れ……



ナナの体は大きく震えていた



俺が名前を呼ぶと、真っ青にした唇で俺を呼んだ



震える小さな手を開くとそこには、星のピアス…



俺の……



必死に言い訳をするナナ



…手、キズだらけじゃねぇかよ………



ピッタリと吸い付くように肌にくっついている制服



………シャツの透けてる部分から、アザがたくさん見える



「…アザ、どうしたんだ?」



「……な…なんでもないよ……」



………



体はガリガリだし、表情も暗い



俺が守ってる、守り方は間違ってる?



だって、ナナをこんなにしたくない



笑ってくれよ



「飯、食ってんの?」



「…食欲なくて……」



苦笑いのナナの手首には、デカい切り傷



………俺って、ナナのこと追い込んでる??



ふらつくナナ…




++++++++++++++++++++




いろいろと庵くんに聞かれた…



なんか、鋭くて少しビックリした



「…中入れよ……」



私の頭にタオルをかけた



「…でも、濡れちゃうよ…」



「…じゃ、帰れば?」



…………



迷惑だよね………



私は帰ろうとする



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