★俺様主人とパシリちゃん☆


匠くんは私の鎖を壊してくれた



「…ありがとぅ……」



「震えてるけど、大丈夫か?」



「…私…捨てられる?」



「は?」



匠くんは私を見た


「…私の体…汚れたから」



「バカかよ、庵はそんな奴じゃねぇよ」



………そうかな…











「「……」」



帰りはヒナタさんが迎えに来てくれた



今はSAKURAの個室の中



一切の会話がない



庵くん………



たくさんケガしてた



痛そう……



庵くんの顔には絆創膏(バンソウコウ)がたくさん



………



匠くんは庵くんがそんな奴じゃないって言ったけど………



やっぱり私………



そう思うと涙が目に溜まる



「はぁ…」



ガシガシと頭をかいて、部屋を出た庵くん



「…捨てられた?」



グスっと涙が出てきた



「…やだ…離れたくないよ…」



私は庵くんの後を追った



ザッザッ………



必死に庵くんの後を追う



「庵くん…」



ぴたっと庵くんは足を止めた



「…なんだよ」



溢れ出そうな涙を我慢する



庵くんの表情が恐い


やっぱり私、捨てられた??



「…っ…捨てないでぇ……!!」



「は?」



庵くんは私のところに小走りでやってくる



「…うぇぇっ……捨てちゃやだぁ…」



グスっと涙が溢れ出て留まらない



「…正直、傷ついたんだけど……」



「…ふぇ?」



「俺、ナナに触られるの拒否られて」



庵くんは私の体を引き寄せる



「…だって……汚れてる体だから…私」



「…じゃ、捨ててやろっか?」



「や!やだ!!!」


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