★俺様主人とパシリちゃん☆
9.5:はっぴー ばぁすでい★
+++庵♪さいど+++
ちいせぇ頃から、誕生日が嫌いだった
親は俺を産みたくて産んだんじゃねぇし、
ケーキだって、誕生日なんかに食ったことねぇ
ナナには教えてねぇし、別にいいか………
秋の真中くらいの季節
ナナは俺の隣りでクレープを食ってる
高校帰りの途中だ
「…庵くん、甘いの好きじゃないの??」
クレープを食べながらナナが聞く
「…普通?」
「私は大好きだけどなぁ…」
そう言うとナナは、クレープにかぶりつく
……にしても、視線がいてぇ………
俺になんかついてんのか!!って感じだ
「ナナ、クリームついてる」
「え!」
…いいこと考えた…
俺はナナの顎を固定した
「???」
ペロッ…
「「「「!!!!!」」」」
これくらいすれば、いいだろ
「何するの~!庵くん…恥ずかしいよ!!」
「クリーム甘かったな」
「誤魔化さないでぇ」
頬を赤くして俺にくっつくナナ
……なんで、こんなに可愛いんだよ!!
ナナは特別可愛いわけでもないけど、俺にはツボだ
「…」
きゅ
ナナが俺の制服の裾を掴む
この時は、手が繋ぎたいんだろう
すっと手を繋ぐ俺
ナナは満足そうに笑う
「入ろう」
俺は常連のピアス屋に入った
ナナを連れてくるのは、2回目
「うん」
店内はいい感じ
品揃えがいい
ナナは俺から離れてディスプレイを見に行く
「庵くん!」
ナナは俺を呼ぶ
店内には俺達だけ
「これ、庵くんに似合いそう…」