★俺様主人とパシリちゃん☆
「……」
考えこんでしまった庵くん
「庵くん…」
「…しかたねぇな……」
+++庵♪さいど+++
…嫌な記憶をたどる
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庵、5歳
その日は雪が降っていた
「庵、留守番ヨロシクね」
「うん…」
ちいせぇ俺は弱虫で泣き虫だった
母親の理綉(りつ)は俺なんてそっちのけで遊びほうけていた
「まま…まま……」
家中の電気は全部つけて、夜は過ごしていた
いくら待ってても理綉は帰って来ない
俺は母親の愛情がわからなかった
周りの子供は楽しそうに笑っていたけど、俺は笑い方がよく分からない
がちゃ
「まま!」
「………」
母親の隣りには知らない男の人
「まま、誰??」
すると理綉は俺を突き飛ばした
「あんたなんて、産みたくなかったのよ!!!」
「…まま?」
「あんたになんて、愛情すら感じないのよ!!!」
そして、その日からの暴力は俺の心を閉ざしていった
女はみんな同じだと思っていった
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話し終わるとナナが泣いていた
「なんで、ナナが泣くんだよ!?」
「……ひっく…ふ…ふぇ…」
優しく頭を撫でる
「…わかんない…涙が出てくるのぉ……」
愛情なんて今もよく分からない
だけど、人の愛し方はナナが教えてくれた
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「はぅ!庵くん?」
庵くんは私を抱き締めて頬にキスをした
「…ナナにくっつくと、楽になるんだけど?」
……癒し器具??
「なんか、ナナって可愛いなぁ」
「可愛くないよ!」