太郎物語
今日は登校日…。憂鬱としか言いようがない。



「おはようございます!みなさん久しぶりですね。宿題、進んでる?」



ビクッと肩の上がる、数人の男子。



ま、俺は宿題は終わってるよ。1週間で終わらせた。なんたって畑したいし。案外楽しいもんだよ。



彼女もいないから、悲しい男といわれるけど、それでもめげない。楽しいこと優先。



正直、彼女ぐらいほしいです。手をつないで下校したいです。茜色に染まった空の下の公園でキスしたいです…。



↑どんだけ空想…



「タロー!!!」



俺を呼ぶ声。親友の涼だ…。どうせなら、女の子が話しかけてくれれば…どんだけ嬉しいか…



「どうしたっ。浮かない顔してさ。親友に話してみろ、ん?」


「女子成分が足りないよー。彼女が欲しいー」


「なら、俺に任せろ」



そう言って、涼はさっさと帰って行ってしまった。




おいおい…、任せていいのか?本当に…。



昔っから振り回されてばっかりだな。ま、あいつが任せろって言ったら、結構いいとしてくれるからな。



頼れるって言ったら、頼れる。いい奴だよ、たぶん…。



超天然で、気まぐれで、御調子もので…。



ま、今回も任せよう。そして、お礼用の野菜も準備しておこう。



(涼は俺の作った野菜が大好きらしい)



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