太郎物語
結局、自分なりにいいだろうと思った服と、いつものお出かけ用の髪型。



カランカラン



扉を開けると、いい匂いが漂う。喫茶店独特のいいにおい。



「おーいこっちこっち!!!」



涼が俺を呼んでいる。俺は呼ばれた席に座る。



目の前に、ありえないほど可愛い女の子が座っている。



「神戸 太郎(じんどたろう)です。よろしく」


「わ、私、蔵木 綾(くらき あや)です」



もう、涼様様だよ。



ありがとう、わが友よ!!!




それからあれこれと、喫茶店でコーヒーを飲みながら会話。



「タローさんって、ブラック派なんですね」


「甘いの苦手なんだよ」



とか、他愛のない会話が楽しくてしょうがなかった。




その帰り、メアドを交換して、別れた。



涼は野菜を取りにうちの家に来る。



「流石涼。ありがとう」


「いやいや」



そして俺の肩に手を置いた涼は、



「あとはお前次第だ」



と、かっこつけて言った。




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