不器用なLOVER
私に合わせて屈んでいた朋弥さんが腰を伸ばす。

「ん〜、だから同じ学園の奴には手出してねぇじゃん?
まぁ近いと面倒臭ぇてのが本音だけどさ…」

透弥さんは溜め息交じりに、

「誤魔化し切れないからでしょ?名前や眼鏡だけじゃ無理があるからね?」

そうだよね大体何で透弥さんの振りする必要あるんだろ?

さっきの様子では見た目だけで、中身は朋弥さんのままだったし。

「じゃあさ、透弥…。俺、晶ちゃんマジになってもいい?」

トーンを落とした朋弥さんは、
透弥さんを直視した。

朋弥さん…本気なの?

透弥さんも無言で正視している。

沈黙に息を飲むだけで、
何も出来なかった。

先に声を発したのは、以外にも

「朋弥…晶なら色々と楽って考えなら止めた方がいい」

言葉は少ないけど朋弥さんには、言いたいことが伝わってるようで

「…どうかな?」

不敵に笑い返し、

何か考える風に黙った透弥さんが

「そう。なら全力で挑んできて。僕も手加減するつもりないから。晶は、誰にも渡さない」

明言すると、

「そうかよ。なら、俺も手加減はいらねぇよ。
初めて透弥に勝てるかもな?
女の扱いは専売特許なんでね?
熟してきた数が違うんだよ。
一人の女を堕とすために今まで遊んできたのかもな…」

対抗するように言明した。

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