不器用なLOVER
三人と合流したファミレスで、

「…嘘、マジで?」

隣の席の女子高生たちの声がよく響いていた。

真姫が口調真似て、

「嘘、マジで…煩いっての」

衣里が雑誌に目を通しながら、

「気にしないの」

登喜子も頬杖を付いて、

「DVD借りてく?」

意見を求める。

「エロいやつ?」

真姫がほくそ笑む。

雑誌から視線を外さずに、

「私はラブストーリーがいいな」

呟いた。

「要するにまとめると超濡れ場のあるラブストーリーってことだよね?」

なんだろうか?

っていうか勉強会じゃなかった?

「…マジウケる」

隣から高笑いが飛込む。

気にする様子もなく登喜子は、

「あとさ、せっかくだからホラーも借りようよ」

ちょっと待って何がせっかくなの

「ムリ、パス」

私の発言を一蹴して、

「ハリウッドのはムリ…音ばっか」

真姫に、

「そうね、ホラーなら日本よね」

衣里が同調した。

何で

「勉強はいつするの?」

三人が一瞬だけ私を見て、

「夏休みどうするの?」

「私は彼氏と旭川…超〜貧乏旅行じゃない?ってか相手普通の大学生だし仕方ないか」

真姫がボヤく。

「じゃあ私の方がリッチかな?
ハワイ連れてってくれるんだって
一応社会人だから…」

衣里の彼って社会人なんだ。

「いいじゃん彼氏いるだけで…、夏期講習でしか会えないのに」

っていうか話そらされてるし。

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