不器用なLOVER
唇が触れ合う直前、
「ダメだよ…」
私は朋弥さんの胸を両手で押す。
「朋弥さんは朋弥さんにしかなれないんだよ」
分かった気がする。
「朋弥さんで居なきゃダメだよ」
朋弥さんの気持ち。
「透弥さんにも出来ないことあるよ?透弥さんにも勝てないことあるよ?」
長い溜め息の後、
「ねぇよ、アイツに出来ねぇことなんてねぇよ?アイツは妖怪だからな…俺達とは創りが違ぇんだ」
自嘲気味に呟き、
壁に背を預ける。
「産まれた頃から一緒だったから俺達は何時でも比べられてたけど双子みてぇな俺達を間違える奴はいなかったんだよ」
腕を組んで続ける。
「勉強も楽器も運動も何一つ俺はアイツに勝てたことなんてねぇ。それを嘆いたことなんてねぇし、単純に凄ぇって尊敬さえしてた」
目を閉じ足を組み換え、
「どんなに周りが俺を憐れんでもアイツだけは俺を蔑むことはないって思ってた…だから、アイツの従者的言われ方されても気にしなかったんだ」
解いた腕の一方を後壁に叩き付け
「アイツも俺を侮ってやがった。許せねぇんだよ…。大切なモン、全部ぶっ壊してやる名誉名声…」
私は滲出した血を見て、
取り出したハンカチを縛り付ける
「晶ちゃん…」
空いた手で私の髪を愛しそうに、指に絡め口付けた。
「ダメだよ…」
私は朋弥さんの胸を両手で押す。
「朋弥さんは朋弥さんにしかなれないんだよ」
分かった気がする。
「朋弥さんで居なきゃダメだよ」
朋弥さんの気持ち。
「透弥さんにも出来ないことあるよ?透弥さんにも勝てないことあるよ?」
長い溜め息の後、
「ねぇよ、アイツに出来ねぇことなんてねぇよ?アイツは妖怪だからな…俺達とは創りが違ぇんだ」
自嘲気味に呟き、
壁に背を預ける。
「産まれた頃から一緒だったから俺達は何時でも比べられてたけど双子みてぇな俺達を間違える奴はいなかったんだよ」
腕を組んで続ける。
「勉強も楽器も運動も何一つ俺はアイツに勝てたことなんてねぇ。それを嘆いたことなんてねぇし、単純に凄ぇって尊敬さえしてた」
目を閉じ足を組み換え、
「どんなに周りが俺を憐れんでもアイツだけは俺を蔑むことはないって思ってた…だから、アイツの従者的言われ方されても気にしなかったんだ」
解いた腕の一方を後壁に叩き付け
「アイツも俺を侮ってやがった。許せねぇんだよ…。大切なモン、全部ぶっ壊してやる名誉名声…」
私は滲出した血を見て、
取り出したハンカチを縛り付ける
「晶ちゃん…」
空いた手で私の髪を愛しそうに、指に絡め口付けた。