不器用なLOVER
絶対分かってる。

少しでも長く一緒に居られることが嬉しいに決まってるのに。

当然のように必要とされたことが嬉しいに決まってるのに。

透弥さんはそんな私の気持ちを、絶対気付いてて聞いてるんだ。

「さっ…サポートって?」

不自然なぐらい無理に話を戻し、

「具体的に指示してくれなきゃ、分からないんだから…」

顔をそらした。

「早速だけど、会長室に行くよ」

何かを期待してたわけじゃない、けど…そのオンオフの切替の速さに寂しさも覚えてしまう。

「行事を運営するには直接と間接に関わる関係者がいるよね?」

歩きながら透弥さんが説明を始め

「間接的に関わる人達へのケアの方が重要だからね」

私は頷いて付いていく。

「騒音に交通やマナー問題に対処しなくてはいけないでしょ?」

言われてることは何と無く分かるけどそれでも何をしなくてはいけないかがまだ見えてこない。

「当日は参加者では限度があるしボランティアに頼る方が、能率がいいよね?」

一応問掛けてはいるようだけど、私からの返事は期待してはいなかった。

「それと防犯カメラも増量したし学園内どこにも死角はなくなったけど新防犯システムに切替えてからの再確認も必要だね」

一度に色々言われて思考回路も…パンクしそうだ。

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